皆さん、こんにちは。代表の多田です。
毎年12月は寄付月間として、様々なところで”寄付”に関するイベントなどが行われています。当団体も、賛同パートナーであり、賛同企画として「クリスマス寄付キャンペーン」を現在実施しています。
寄付月間(Giving December)とは、「欲しい未来へ、寄付を贈ろう。」を合言葉に毎年12月の1ヶ月間、全国規模で行われる啓発キャンペーンのこと。
寄付月間にあわせて、企業、NPO、大学、行政、個人など多くの方が寄付月間に関連したイベント、シンポジウム、講演会、キャンペーンなどの賛同企画を実施されます。
毎年、寄付キャンペーンについての紹介をしているのですが、今年は「日本の寄付について考える」と題して、寄付白書2021から寄付の動向を見ていきたいと思います。
日本の寄付市場
*寄付白書における「寄付」には、日本赤十字や赤い羽根などへの寄付、NPO法人などへの寄付、街頭募金、ふるさと納税など全てが含まれています。
2020年の個人寄付総額は1兆2,126億円(ふるさと納税6,725億円含む)となっています。また、2011年は寄付金額として前年翌年と比べて飛び抜けていますが、これは東日本大震災に関係する寄付が多く寄せられたためです。また、2020年は4,352万人(44.1%)の方がふるさと納税などを含む寄付をされています。この割合としては、2014年以降横ばいとなっていますが、個人寄付総額は増えているところから、1人あたりの寄付総額が増加していることがわかります。
よく、「日本には寄付文化が根付いていない」と言われていますが、それはどうでしょうか。寄付白書では、日本・アメリカ・イギリスの3カ国の個人寄付総額について比較を行っています。名目GDP比では、3カ国中一番低い値となっています。
コロナ禍における寄付
コロナ禍では、すべての年代において、一定割合の方がコロナ関連の寄付を行っています。1人10万円が配られた特別給付金を寄付するという方もいました。また、有名人が実際に寄付をしたり、寄付の呼びかけを行ったりすることで、それに賛同し、少額であっても寄付を行ったという人もいるのではないでしょうか。
こちらは、HikakinさんがYahoo!募金で行っていた医療従事者を応援するための寄付の呼びかけです。最終的におよそ21万人の方が総額3億7000万円の寄付をしています。
支援ページに掲載されているコメント欄を見ると、「300円寄付をした」「Tポイントなら1ポイント(1円)からできる」などと、少額から支援をしているような文言が多く見受けられました。「あの人がしているから、誰かがしているから、友だちがしたと言っていたから、自分も寄付をした」そんな流れが出来上がっていたのではないでしょうか。
兵庫子ども支援団体への寄付を考える
こちらは団体の各年度における支援者数(寄付者数)です。これまでは2倍近く増加し続けていましたが、2022年度は伸び率としては横ばい又は減少になる見込みです。
2021年までの団体への寄付状況と今年の状況を見ると、少し印象が違うような気がします。昨今の物価高の影響もあり、単発支援(スポットサポーター)の減少だけでなく、継続支援(マンスリーサポーター)の停止(解除)も増えているような気がします。サポーター側も経済的に大変であることが多くなってきました。
さて、兵庫子ども支援団体へ支援をしたことがある方の年代についても、調べてみました。そうすると、40・50代の子育てが少しひと段落ついた方々からの支援が半数以上を占めていました。
一方で、20・30代といった、若者からの寄付も一定数はあります。こちらは、マンスリーサポーターとしての支援というより、キャンペーンがあった際に支援してくださる方が多いイメージです。もちろん、毎月の継続支援をしてくださっている方もいます。
支援をためらう気持ち
私たちとしても、自分たちの団体を含めて、寄付(支援)の輪が少しでも広がっていけば良いなと思っているのですが、なかなか思うように進まないという現状があります。どうして、寄付(支援)の輪が日本ではそこまで大きく広がっていかないのでしょうか。
まずは、先ほどから何回か出てきていますが、自分の生活・経済的状況に「余裕」がないからというのが挙げられると思います。この点については、今回は置いておきたいと思います。
次に、NPOや一般社団・財団法人への信頼性があまり低いのではないかと思います。NPO法人として運営している私たちが言うのもなんですが、NPO法人は比較的簡単に設立することができます。定款や正会員など決められた事項を正確に整えると設立できます。設立は出来るのですが、その後、法で求められている書類整備・報告・公告などが不十分である法人が一定数見られます。(ほとんどのNPO等はしっかりと守っています。)
しかし、何かしら問題が起きた際には「NPO法人が…」と一括りにされることもしばしばあり、世間の人からの心証としてあまり良いものではないと思っています。
「信頼性を得る」ということは非常に難しいものだと思います。これはすぐに得られるものではなく、常日頃の法人運営・事業運営によって得られるものだと思います。そのため、私たちとしては、ホームページやSNS上でどのような活動をしているのかしっかりと見てもらえる報告をして、そして情報公開にも積極的に取り組むことで透明性のある法人運営を心がけています。
実際に、特例認定NPO法人になったのも、法人運営が適切に行われているのかをしっかりと所轄庁の方に見てもらいたいという思いもあったからです。これからも外部からの視点(評価)も取り入れて適正な法人運営に努めて参りたいと思っています。
最後に、12月は寄付月間です。1度、「寄付」について考えてみて、少額からやってみようかなという方がいましたら、当法人でも「クリスマス寄付キャンペーン」を実施していますので、そちらを覗いてみてください。
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