【コラム】2020年から小学校教育が変化!新学習指導要領スタート!!

道徳の教科化、プログラミング教育の推進、外国語の実施…など2020年から小学校教育が変わるという話を聞いたことはありますか?
どのような意図で、なぜ変わるのか、学習指導要領とは何か?ということを書いていきます。

教育が変わる背景

小学校、中学校、高等学校、特別支援学校など文部科学省が所管している学校園での教育は「学習指導要領」、幼稚園では「幼稚園教育要領」というものに従って行われなければならないとされています。

これは、全国どこの学校でも一定の教育水準が保てるようにするためのものです。つまり、1年生で必ず足し算・引き算を学習をする、2年生で掛け算をする、3年生で割り算をする、などのようにどこの地域に行っても、その学年で学習する内容を統一するためのもので、要領は学校教育法や施行規則等で位置付けられています。この学習指導要領や教育要領は、およそ10年に1度改訂されるものとなっており、今回は平成29年3月に改訂・告示されました。2年間の移行措置期間を経て、2020年に新学習指導要領がスタートすることになっています。

すなわち、2020年から小学校教育が変わる理由は、新しくなった学習指導要領が2020年にスタート(全面実施)するからなのです。

<span class="su-quote-cite"><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm#section8" target="_blank">文部科学省ホームページより</a></span>

生きる力

前回の改訂(2008年)時に、「脱ゆとり」そして「生きる力」を育むことを文部科学省は示していました。「生きる力」とはグローバル化していく社会などで生きていくために、知・徳・体のバランスを取れた子どもたちを育てていくことで、例えば、「習得した知識・技能を活用して、自ら考え、判断し、 表現すること」や「自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や 感動する心などの豊かな人間性」を持った子どもを育むことが挙げられています。

そして、今回の改訂でも、この基本的な方針は踏襲されていますが、この10年間で私たちの社会は高度情報化社会から超スマート社会へと移行しようとしています。このような、急速に発展する社会でも「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動」できる子どもを育むことを目指しています。

(参考)超スマート社会についてはこちら

学びの変化

先ほどの「生きる力」を育むために学び方も変化します。例えば、「アクティブ・ラーニング」という言葉を聞いたことはありますか。指導要領改訂前にニュースなどでも頻繁に耳にしましたが、改訂されてからは「主体的・対話的で深い学び」と言われています。新しい学びのように聞こえますが、実際には小学校などでは昔から取り入れられていた方法だと思います。学習の中で実際に自分で考えて、それを友だちなどに発表したり、友だちの発表を聞いたりして、新しい発見や発想が生まれる授業の場を作っていくことにより、「未知の状況にも対応できる思考力や判断力、表現力」を育むことを目指しています。その他にも、文部科学省では、社会に出てからも学校で学んだことを生かせるように3つの力をバランスよく育むことを目指しています。

教科・学習内容の変化

それでは実際にどのようなことが変わっていくのかを見ていきたいと思います。ほとんどが2020年度からの全面実施ですが、2018年度より先行実施されているものがあります。それは道徳の学習です。これまでは教科ではありませんでしたが、今般の改訂より「特別の教科 道徳」として教科化されることになりました。それにより、教科書を用いた学習さらに通知表への文章による評価がされるようになっています。

次に、グローバル社会へ対応するために外国語教育も変わります。これまでは小学5・6年生で「外国語活動」が行われていましたが、小学3・4年生から「外国語活動」が実施され、小学5・6年生では「外国語」(教科)が始まります。学習内容もこれまでは「慣れ親しむ」だけのものでしたが、小学5・6年生の「外国語」からは聞くこと・読むことだけでなく、書くことや話すことの力も育んでいくことになっています。

新しく取り組むこととしては、「プログラミング教育」や「言語能力の育成」、「理数教育」、「伝統や文化に関する教育」、「主権者教育」、「消費者教育」、「特別支援教育」、「キャリア教育」、「防災・安全教育」などたくさんあります。例えば、「プログラミング教育」では、超スマート社会に向けて、コンピューターがプログラムによって動き、社会で活用されていることを体験し、学習します。また、「特別支援教育」では合理的配慮の観点から障害に応じた指導を行い、一人一人の能力や可能性を最大限に伸ばすことを目指しています。

このように2020年からの新しい教育は、これからの10年間を大きく変化させるものになるかもしれません。

まとめ
  • 全国の学校が何を、いつ学ぶのかを決めている学習指導要領が改訂され、それが2020年に全面実施されるから小学校教育が変わる
  • 生きる力を育むために「どのように学ぶか」も重視されている
  • これからの社会を生きていくために、変化に対応できる子を育むために、新しく取り組む教科や学習内容がある

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<span class="su-quote-cite"><a href="https://www.youtube.com/watch?v=wc8VdrwOMBs" target="_blank">YouTube(文部科学省アカウント)より</a></span>

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