絶対的貧困と相対的貧困について


NPO法人兵庫子ども支援団体は、任意団体設立より5年間、子どもに関わる様々な活動に取り組んできました。私たちが活動を始めるきっかけの一つには、世間で子どもの貧困や貧困の連鎖などの問題がクローズアップされ始めたことがあります。今回は、そもそもの「貧困」とはどういうものを指しているのか?ということを書きます。

貧困とは?

私たちが日本に住んでいて、とてもやせ細っている子や住むところが無い子、食事が全く取れない子を見ることはありません。それにも関わらず、2013年頃より「子どもの貧困」という言葉がニュースなどでも聞かれるようになりました。これは、「貧困」と言っても、定義によって指すところが違うからなのです。

絶対的貧困と相対的貧困

「貧困」というと、大きく分けて「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類に分かれます。絶対的貧困とは、1日に1.25ドル未満で生活をしている人、つまり、人として必要最低限な生活を行うのもままならない人のことを指します。私たちが貧困と聞くと、頭に思い浮かべるのは一般的にこちらではないでしょうか。一方で、相対的貧困とは、その国の生活水準や文化水準と比較をして貧困状態にある人のことを指し、世帯の所得がその国の等価可処分所得(自由に使えるお金)の中央値の半分に満たない人のことをいいます。日本では、1人世帯の場合、等価可処分所得が122万円に満たない人が相対的貧困状態にあると言えます。世帯人数と相対的貧困となる等価可処分所得の額(=貧困線)の関係は次のようになっています。

  • 1人世帯  1,220,000円
  • 2人世帯  1,725,000円
  • 3人世帯  2,113,000円
  • 4人世帯  2,440,000円

「平成28年度国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、子どもの貧困率は平成27年度の時点で13.9%と言われています。平成24年度調査では16.3%を記録し、割合としては減少しましたが、依然として18歳未満の子ども7人に1人が貧困状態であるという現状があります。特にひとり親世帯の子どもに着目すると、50.8%もの子どもが貧困と言われています。また、OECD(経済協力開発機構)加盟諸国においても、先進国34ヶ国中10番目の貧困率の高さとなっており、国際的に見ても深刻な状況となっています。(表1,表2)

子どもの貧困率(日本)


(表1「平成28年度国民生活基礎調査」(厚生労働省))

子どもの貧困率(OECD)


(表2「平成26年版子ども・若者白書(全体版)」(内閣府))

貧困がもたらす子どもへの影響

相対的貧困と言われる状況に陥ると、世間一般の標準的な生活をすることが難しくなります。その状態や状況が子どもにもたらすものとして「服がボロボロ/同じ服ばかり着ている」「病院に行けない」「給食費や修学旅行代を払えない」「風呂に毎日入ることができない」など様々なものが考えられます。また、このような問題からいじめなどに発展する場合もあるといえます。さらに、相対的貧困状態では、生活が安定しないことなどから、非行や不登校などとも相関があるとも言われています。

貧困の連鎖

貧困は連鎖すると言われています。一度、貧困状態に陥るとそこから抜け出すことは難しく、親から子へ、子から孫へと連鎖していきやすいと言われています。経済的な貧困により、子どもの学習の機会(学校外教育を受ける機会)が減り、学力の低下、そして進学や就職に悪影響を及ぼすと言われています。

さらに、貧困は子どもの心理面においても影響を及ぼすと言われています。周囲と比較をして「どうして?」「なぜ?」「どうせ」などと感じていくことで、貧困状態でない子どもと比べると自己肯定感が低い傾向にあるとも言われています。自己肯定感が低いと、やはり自分に自信を持つことが難しくなることが多いです。

貧困は当事者だけの問題ではない

貧困はその人だけの問題ではありません。「親にやる気がないから」「ただの怠慢」などの言葉を聞くことがありますが、本当にそうでしょうか。働く意思もあり、ダブルワーク、トリプルワークをしている人もいます。しかし、どれだけ努力しても状況が改善しないこともあります。また、家庭環境の変化(死別や離別など)、災害、病気など何がきっかけで急に貧困状態に陥るかはわかりません。誰にでも貧困状態に陥ることがあるのです。貧困問題を人ごととして捉えるのではなく、私たちの身近な問題、自分ごととして捉え、対策をとったり、サポートをしたりする必要があります。

 

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