10歳を境に貧困状態にある子どもの学力が急激に低下する?

11月19日に開催された「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2017」の分科会「幼少期で人生が決まる?!」で、貧困状態にある子どもの学力が10歳(小学4年生)を境に急激に低下するという調査結果が発表されました。

読売新聞をはじめ、各種メディアで調査結果が報道され、現在、とても注目を集めています。

【関連リンク】「貧困状態の子どもの学力は10歳を境に急激に低下」|日本財団ブログ

(引用元:日本財団ブログ

生活保護世帯と経済的に困窮していない世帯の偏差値を比較すると、10歳以降は偏差値が5前後の差が出ているという結果が出ています。

9歳から10歳、小学3年生頃から小学4年生頃にかけて平均偏差値がなぜそのように低下するかは、判断できない部分がありますが、個人的に思うところとしては、「急にわからなくなる」のではなく「わからない」が積み重なって大きく表面化するのがこの時期になるのではないかと思います。

例えば、算数では小学1年生から小学3年生にかけてこれからの算数・数学の基礎となる4つの演算を学びます。小学1年生で「たし算、ひき算」、小学2年生で「かけ算」、小学3年生で「わり算」を学習し、小学4年生からはそれらが完璧に(ある程度)理解できたという前提のもとで数の拡張として小数や分数を用いた学習に入るというのが現在の学習過程となっていると思います。

家庭環境などに関わらず、小学1年生から3年生までは何とか(かろうじで)ついてこれる子が多いですが、4年生以降のこれまでの学習を活用(拡張)した単元に入ってくると基礎が固まっていないためにわからなくなるということが良くあります。

実際に兵庫子ども支援団体が行なっている学習支援に来ている子どもたちの中にも計算基礎の部分が(かけ算やわり算が多いですが)自分の中で確かなものになっていない(定着していない)という子がちらほら見かけられます。

 

現在、7人に1人の子どもが相対的貧困と言われる状況にあります。

行政はこれらの調査結果をもとに対策を考えていく必要があると思います。もちろん、兵庫子ども支援団体としても考えるべきことがあります。

また、学習だけではなく非認知能力の育成についても調査報告で言及されているとおり、小学校低学年からの問題という訳でもありません。生活保護世帯などに関わらず必要としている全ての子に対して、きめ細やかな支援が必要になるのではないでしょうか。

多田

 

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