長期の臨時休校による子どもたちへの影響について[アンケート結果]

6月1日から学校が再開することを受けて、兵庫子ども支援団体ではこの3ヶ月にもおよぶ長期の臨時休校による子どもたちへの影響や保護者の不安などを調べるために、当団体の活動にこれまで参加されたことがある方を対象にアンケートを実施いたしました。

その結果などをお知らせいたします。

アンケート概要

期間:2020年5月28日〜5月30日

対象:兵庫子ども支援団体の活動にこれまでに参加したことがある方

調査方法:インターネットアンケート(選択式・記述式)

回答者数:17名

アンケート結果

小学2年生から高校3年生までの子どもをもつ保護者の方から回答をいただきました。活動の性質上、小学生の子どもをもつ保護者の方からの回答が多くなっています。

学習面について

休校中に出されていた課題の種類について尋ねたところ、多くの学校で復習プリントや予習プリントが課題として出されていました。予習プリントは、学年が上がるにつれて出される割合が大きくなっています。

また、予習課題の取り組み方について尋ねたところ、中学生以上の子どもは一人で取り組んでいましたが、小学生は分からない部分を保護者と一緒に取り組むことが多くなっています。

ひとり親世帯や両親が共働き世帯である場合は、子どもの学習を十分な時間をかけて見ることが出来ず、学校再開に向けて不安を感じている保護者もいました。

保護者の自由記述欄からは、生活習慣の乱れから、これまでのように朝しっかりと起床して学校に行くことができるのか心配している家庭が多いです。

また、2ヶ月分の学習内容をちゃんと履修することができるのかや今年度中に履修させるために授業スピードが早くなってしまわないか(丁寧な指導をしてくれるか)などを懸念している声も聞かれます。

その他にも、塾に行っている子やオンライン授業を受けていた子などとの2ヶ月分の学習の差、学力の差が広がっていないか不安に感じていることが見受けられます。

生活面について

学校が休校になる前(2月頃)と現在を比較して、生活面で感じることを尋ねたところ起床時間や就寝時間が遅くなったという子が多くなっています。中には朝方まで起きている子もいるようで、昼夜が逆転している子もいます。その他にも、家庭で過ごす時間が増えたことで、運動不足やコミュニケーション不足、テレビ・動画の視聴時間の増加も見受けられます。

また、2ヶ月の間でコロナウイルスに対して不安感を口にしたり、理由も泣いたりするなど精神的に辛くなっている子も一定数いることが考えられます。

保護者による自由記述欄からも学校再開してからの通常の生活に戻ることができるのかが大きな不安であることが見受けられます。また、中学3年生や高校3年生の保護者からは受験へどのような影響があるのか心配な声も聞かれます。

その他には、今回の臨時休校を受けて多くの市町村で夏休みの短縮が決定されています。夏休みが2週間のみという学校もあり、8月中の登下校や授業について熱中症などを心配している保護者もいます。

アンケートの結果を受けて

短いアンケート期間でしたが、ご回答いただいた皆さまありがとうございました。

学習面について、予習の課題を出す学校が多かったと思いますが、小学生などは一人で教科書を見て予習することが難しいと感じる子がいるため、保護者(家庭)が関わっていることが多いことが分かりました。そのため、ひとり親世帯や共働き世帯では、十分な関わりの時間をもつことができず、内容を理解できないままになってしまう可能性も十分に考えられます。今後、第2波によって再度休校になってしまった場合に備えて、予習課題に対する学習サポートのあり方を検討していきます。

生活面について、起床時間や就寝時間の乱れなどから学校再開に向けてのハードルが上がっているとの印象がとても強いです。また、今回の休校は自粛要請も重なっていたため、友だちとコミュニケーションをとることができなかったり、外で遊ぶことができなかったりしたことによるストレスも多いと考えられます。心のケア(精神的なケア)が必要な子どももいるため、学校園においてもスクールカウンセラーなどと連携したきめ細やかな支援が求められていると思います。団体においてもLINEを利用した相談事業を継続することで、どんな時にでも相談できる体制を整えておきたいと考えています。

また今後、第2波によって休校となった場合に備えて、①生活のリズムを崩さないようにする支援、②短時間でもコミュニケーションを取ることができる活動の実施ができるようにも体制を整えていきます。